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 キャッシュフロー経営の重要性

窮境企業に共通する弱点の一つに「キャッシュフローの視点の欠如」があります。しかし、キャッシュフローを重視する経営スタイルは、多くの窮境企業を救う魔法の杖になり得るものであり、もっと重視されるべきです。  事業再生の現場では、「キャッシュフロー計算書が作成されていない」「資金繰り実績・予定表が作成されていない」「事業所や事業部毎の資金収支が計算されていない」「投資判断において目標回収期間という視点がない」といったケースに遭遇することが多々あります。

どうしてそうなるのか?経営者自身のキャッシュフローに対する意識が低いためです。あたかもそれが大事なことではなく、自分の仕事ではないかのように振る舞っています。 しかし、それでいて資金繰りにはいつも困っている・・・。キャッシュフローの理解のためには、多少の会計知識が必要なことも障害でしょう。顧問税理士も、税金に直接影響しないキャッシュフローには無頓着です。

最近の事例ですが、いくつもの宿泊施設を抱えている旅館業(年商数十億円)で、その施設毎のキャッシュフローが計算されていない、というケースがありました。 各施設について、それぞれの試算表は毎月しっかり作成されており、「会計上の利益」は計算されているのですが、多額の減価償却費や在庫の存在、そしてさしたる証拠も無く行っている多額の本社共通経費の配賦などにより、 その試算表を見ていても、各施設で実際どれだけのキャッシュが生み出されているか、良くわかりません。そんな状態で、施設の閉鎖やリストラなど、重要な意思決定がなされようとしていました。

実際、会計上は赤字だけれども、しっかりキャッシュを生み出している施設を、「儲かっていない」という理由で閉鎖しようとしていました。これでは闇雲に前に進んでいるのと変わりません。

解決策は明確です。

キャッシュフローがわかる資料を作成し理解しておくことです。先の例では、施設毎の資金収支表を作成することであり、一般的にはプロフィットセンター毎に資金繰り実績・予定表を作成すること、キャッシュフロー計算書を作成すること、などです。

事業がどんなに大きくなり複雑になったとしても、経営の原理原則は変わりません。街の八百屋と同じで、一日(一ヶ月、一年)の終わりにどれだけの現金が手元に残ったか、が大事です。そのために、中小企業経営の現場において、 キャッシュフロー経営の重要性が再認識されることが必要と考えます。