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 過去の夢を見る経営者と経営改革

私たちのお客様は、過去に良い時代があった企業がほとんどです。経営者本人は気付いていなくても、経営が思わしくなった今も、ともすれば「その時代に戻りたい」又は「そんな時代がまた来るのではないか」と夢を見ている経営者が多いと感じています。

時代背景が変わり、実際に「その時代に戻る」ことも「そんな時代が又来る」ことも、あり得ないと分かってはいても、過去の栄光にすがる経営者が多いのは、何故なのでしょうか。 その答えの一つには、その企業と経営者が、作れば売れる時代の経営の未熟さから抜け出していないことが、挙げられるのではないでしょうか。 「売上げはすべてを癒す」と中内功氏が発言した時代は、(今から考えると特異な)経済の急成長期であり、(その気になれば増やせた)売上を増やせば、増加した売上が様々な問題を隠して、経営が成り立ったのでしょう。 その時代においては、他社に先んじて投資を行い、売上を増やすことが経営でした。

しかし、バブル期を境に社会が人口減少に転じ、(業界や事業範囲に依りますが一般的には)各種市場は拡大どころか縮小がトレンドとなった今は、もっと冷静で緻密な判断力が経営に求められています。

例えば、「減収増益」です。計画的な「減収増益」は、市場縮小時代に合わせた経営の形です。資金繰りをコントロールしながら、むやみに売上を追うことを止め、取引先や商品を選別して、利益率の高い取引を残すなど商流そのものの見直しおこなう。 また、売上減少や原料コスト上昇のペースを見越して、それよりも速いペースで製造コストや販売・管理コストを押さえる・・・。売上に頼れない現在の経営者は、こういった施策を実行しなければなりません。

こうした経営改革は、「過去の栄光の夢を見る」経営者(特にお年を召された経営者)には残念ながら難しい、それが実際のところです。 そんなとき、私たち再生チームが企図するのは、若手・中堅の抜てきです。後継者を含む30代~40代中心のプロジェクトに責任と権限を一部移譲し、上記のような改革を実行させることで、経営者(と幹部)の時代に合わない感覚を補って改革を進めます。 その結果、企業が窮境状態から救われ、後継者は自分で立て直す経験を経て冷静で緻密な判断力を備える成熟した経営者となり、さらにその部下たちがブレーンとして育つ。そして経営者は夢を見たまま勇退する。これが理想です。