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 「細部まで実態把握を!」と意気込んで陥るワナ

管理ができていない会社ほど、細かい管理から積み上げていこうとする傾向があります。何のために管理を行うのか、という目的志向から外れ、管理のための管理に陥りがちになっている事例をよく見かけます。 たとえば、商品別の原価管理など代表例はないでしょうか?

”赤字が続いている。→商品ごとの原価が精緻に把握できていないことが問題だ。→原価を精緻に見積もろう。→そうすれば、どの商品が儲かっていないか把握することができる。→儲かっていない商品が把握できれば、その商品を廃止すればよい。” という考え方は、窮境企業にとっては逆に命取りとなる場合があります。また、”原価を精緻に見積ろう”という考え方も同じく、かかる労力の割には経営判断に直接的に結び付く結論が得られない可能性が高い場合があります。

これまで管理ができておらず、窮境に陥った会社がまずやるべきことは、部門別、事業別、商品群別などの大きな括りでの損益状況を把握していくことです。 このとき、試算表や売上、仕入、その他経費などについて月次でより正確な数字を集め、特徴的な数字について、部門別(事業別、商品群別)に違いが分かるように分類していきます。 そうすることで、どの部門(事業、商品群)が儲かっているのか/儲かっていないのか、儲かっていないとすると何が要因なのか、が見えてきます。

このような分析結果は、個別商品の精緻な原価の積み上げからはなかなか見えてきません(精緻に見積ろうとすればするほど、段取りを含む工数や材料歩留などの設定が実際の個別の製造条件からずれてくるからです)。 そして、さらなる精緻な原価計算のためのデータ取りなどに追われている間にも赤字の流出は止まらないという本末転倒な状況を招いてしまいかねません。